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空色の彼方へ

空色の彼方へ

変わらない

何一つ変わらない世界
何一つ変わらない景色
何一つ変わらない道
何一つ変わらない事実

それが安心するときもあれば
逆に辛いときもある

私にとっては
変わらないということは
苦しいことでしかない


~for~~何かのために~
  -変わらないー


今日もやっぱりいつもと変わらない
上履きはどこかへ失せ
教室に入れば
毎度毎度同じように落書きされた自分の机
机の中をのぞいて見れば
剃刀やらカッターやらが刃が出たままで入っている
そしてどこからともなく
私を嘲笑うような笑い声が聞こえてくる
私はそれを慣れた手つきで片付け始めた

昨日とは何一つ変わらない・・・・
呼び出されては蹴られ殴られの暴行
何一つ変わってはいない
そんな感じで今日が終わる
帰れば帰れで
誰一人としていない
寂しい家の中でただ独り


帰ってきて自分の部屋へ向かった
部屋へ入るなり私はびっくりしてこれまでかというほど目を見開いた
そうなぜならそこには夢だと思っていた魁がいたからだ

「よう お帰り」
「・・・・か・・・い・・・・?
 何でこんなところにいるの??」
「何でって  お前忘れたのかよ」
「イヤ忘れてはいないけど ・・・てっきり夢かと・・・」
「夢じゃないっつーの」

そういって困惑している私に魁は笑って見せた

「ちょっとお前に話したいことがある」
「何?」
「単刀直入に言う瑠璃を転校させる」
「ふ~~ん って はぁ?! 何言ってんの?!」
「これは決定事項だお前に拒否権はない」

その言葉になぜかぐっと押しとどまってしまった
転校したくないというわけではない
ただこの急展開に頭がついていかない
 
「それに今日のお前の状態を一日中見させてもらった
 だからあの状況じゃ一緒に死にたい人を見つけることは不可能だと思った
 それまでのことだ」

魁が言っていることは正しかった
だってそれが事実だったから
変わることのない現実だから
だから私は魁の言うことを受け入れるしかなかった

「わかった」

そう私は一言魁に言った
その答えに魁は微笑んでいた

                              2006.1・5


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